イスラエルのガラント国防相は1日、同国とパレスチナ自治区ガザとの境界にあるケレムシャローム検問所でブリンケン米国務長官と会談し、ガザ最南部ラファ侵攻の「準備を進めている」と強調した。地元メディアが報じた。ブリンケン氏はラファ侵攻に反対する米政府の立場を重ねて伝えたが、イスラエル側は侵攻に踏み切る方針を譲らず、強硬姿勢を維持した。

イスラム組織ハマスとの間接交渉で、イスラエルは約6週間の戦闘休止中に一部の人質を解放後、戦闘終結を議論する用意があるとの譲歩案を示したとされる。ハマスは2日、最高指導者ハニヤ氏が交渉の仲介役エジプトの情報機関トップと電話会談し、できるだけ早期に代表団をエジプトに派遣すると述べたと発表した。譲歩案への回答を示すとみられる。

ハニヤ氏は電話会談で譲歩案を「前向きな姿勢」で検討していると強調。エジプトメディアは2日、当局筋の話として、代表団は4日までに到着する見込みだと伝えた。

ハマス幹部は1日、レバノンメディアに対し、戦闘終結に関する文言を明確にする必要があるとの認識を表明。「ラファに侵攻すれば交渉は止まる」とけん制していた。ハマスは戦闘終結を求めているが、ネタニヤフ氏は1日、戦闘終結を含む合意は受け入れないとブリンケン氏に伝えた。

ブリンケン氏は1日、中東歴訪を終えイスラエルを離れる前に「値切り交渉をしている時間はない」と語り、合意がパレスチナ人の命を救うとハマス側に訴えた。

イスラエル軍は1日、ガザ北部のエレズ検問所を開放し、支援物資を積んだトラック30台がガザに入ったと発表した。同検問所の開放は昨年10月の戦闘開始後初めて。軍は2日もガザ各地で攻撃を続けた。ガザ保健当局は2日、戦闘開始以降のガザ側死者が3万4596人になったと発表した。(共同)