例年は晩秋から春先にかけて流行するインフルエンザが、今年は8月という異例の早さで全国流行入りした。原因は不明だが、昨シーズンには主流とならなかったタイプのウイルスが広がりつつある。日本と往来が盛んな台湾など東アジア地域でも流行が拡大中で、旅客が増加する大型連休を控え、専門家は警戒を強める。
厚生労働省が流行入りを宣言したのは8月28日。前年から流行が続いた2023年を除けば、現在の方法で調べ始めた1999年以降、2番目に早かった。最速だった09年は新型インフルが流行した例外的な年だった。
現在主流のウイルスは、09年の新型インフルに由来するA型のH1N1。昨シーズン、急速に感染を広げたH3N2「サブクレードK」は少数派となっている。
感染症専門医で神奈川県警友会けいゆう病院名誉参事の菅谷憲夫さんは台湾での流行に注目する。7月ごろからH1N1が急速に広がって大規模な流行になっており、近くピークを迎えるとみる。今月のシルバーウイークには日本からも多くの個人旅行者が訪れると見込まれ、注意が必要だという。香港でも同じウイルスの感染が拡大している。
今後の展開はどうか。上野賢一郎厚労相は8日の記者会見で、流行入りの早さは「必ずしも大きな流行を意味しない」と述べた。一方、菅谷さんはH1N1の流行が2カ月程度で収まっても、その後はH3N2が盛り返したり、別のB型ウイルスが春先に増えたりして「流行は長期化するかもしれない」と懸念する。
厚労省によると、ワクチンは5190万回分と十分な量を確保するが、出荷が本格化するのは今月下旬以降と、まだ少し先だ。手洗いや人混みでのマスク着用を徹底し、症状が出た場合には早期に受診するよう呼びかけている。(共同)

