稲田朋美防衛相は14日、大阪市の学校法人「森友学園」の訴訟への関与を否定した13日の答弁を一夜で撤回、謝罪した。学園側の代理人で出廷したことを示す裁判所の記録という「証拠」を前に、大臣が発言を翻した責任は重いが、「自分の記憶に自信があった。今も記憶はない」と開き直った。安倍晋三首相は、「秘蔵っ子」を守り、一蓮托生(いちれんたくしょう)の構えだ。きょう15日、学園理事長だった籠池(かごいけ)泰典氏が都内で会見する。「爆弾発言」があれば、確実に政権を直撃する。

 稲田氏は、自信満々だった答弁をひと晩で翻した。13日の参院予算委員会で、森友学園の裁判に「行ったことはない」と述べたが、一転、「04年12月9日、夫の代わりに出廷していたのを確認した。訂正しておわびしたい」と謝罪した。

 委員会後、学園の民事訴訟の第1回口頭弁論に、稲田氏が原告側代理人として出廷したことを示す大阪地裁の記録が表面化し、万事休す。稲田氏は、夫が04年10月~09年8月まで学園側と顧問弁護士契約していたことも認め、「私に責任がまったくないとは言えない」。最悪の展開だった。

 この問題は、14日も参院予算委で民進党が追及。稲田氏は13日の答弁に関し「私の記憶に基づいたもの。自信を持って答弁した」と言い切る半面、「代理で出廷したと推測するが、いまだに記憶はない」「(文書から)口頭弁論に出廷したことを確認した」と、煮え切らない答弁が続いた。

 撤回ではなく「訂正」と言い続け、野党の「虚偽答弁」の指摘も認めなかった。「誠実な答弁に努め、誠心誠意職務に当たりたい」と辞任も拒否したが、「アタクシは」と攻撃的だった13日の口調は影を潜めた。

 関係を断った籠池氏に「失礼なことをされた」とも明かしたが、その籠池夫妻から07年、6000円ずつ献金を受けたと暴露され、「記憶にないが指摘するのならそうではないか」と苦しい答弁。政治資金パーティーの購入代と「推測」した。否定しても、籠池氏との関係は浮かび上がった。