将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が連勝最多記録を「29」に更新してから一夜明けた27日、将棋用具の注文が殺到するなど、各地で「藤井フィーバー」が起きた。

 将棋用具の製造販売店として100年以上の歴史を持つ名古屋市西区の三輪碁盤店。この日朝から「孫に将棋を教えたいので木製の将棋盤がほしい」などと問い合わせがあった。同店の三輪京司社長(63)は「品薄で売る商品がない」。折り畳み型やプラスチック製の大量生産品は流通しているが、価格帯が1万5000~2万円の入門用の木製盤は品薄が続き、最低1カ月待ち。将棋駒生産日本一を誇る山形県天童市の老舗商店の担当者は、「全国からの注文に追いつかない」と空前の藤井フィーバーに驚いている。

 地元の愛知県瀬戸市では、一夜明けても熱気が冷めない。同市の瀬戸焼きそば専門店「八方招き」では、26日の対局で藤井の勝負手になった「角」にちなんだ新メニュー「豚角煮瀬戸焼きそば」(800円)を発売。手打ちうどん店「みのや」は、藤井の26日の勝負メシ「豚キムチうどん」と同じメニューを650円から500円に値引きした。同店は「品切れになるまで注文を受け付けます」と意気込んだ。【松浦隆司】