森友学園への国有地売却をめぐる財務省の文書改ざん問題で、佐川宣寿・前国税庁長官(60)は27日、衆参両院の予算委員会の証人喚問に臨んだが、改ざんの指示など核心部分で、刑事訴追の可能性を盾に56回も証言拒否した。

 佐川氏の証人喚問が行われた国会周辺には多くの人が集まり、佐川氏の証言に怒りの声を上げた。正午から行われた「市民連合」の集会には、社民党の福島瑞穂参院議員(62)ら野党議員も参加。市民らは「うそをつくな」「真実を話せ」と訴えた。福島氏は、佐川氏が刑事訴追の可能性から回答の拒否を連続し、安倍首相や昭恵夫人、官邸の関与は明確に否定した答弁に「上をかばって、下に押しつけている、本当に許せない」と語気を強めた。集会に参加した川崎市の男性(75)は、佐川氏の姿勢について「非常に残念。不誠実。国民がバカにされている気がする」と述べた。抗議活動は同日夜にも行われ、主催者発表で1500人が集まった。