女子テニスの大坂なおみ(20=日清食品)が8日(日本時間9日)、全米オープンで日本勢初の4大大会シングルス制覇を果たし、出身地の大阪市もお祝いムードに包まれた。

3歳で渡米するまでを暮らした大阪で、大坂のテニス人生はスタートした。生家に近い同市西区のITC靱(うつぼ)テニスセンターで、幼少期から父フランソワさんに連れられ、同じくテニス選手の姉まりさん(22)らと一緒にラケットを握っていた。

この日、同施設には快挙を祝うくす玉と活躍が掲載された新聞を飾った特設ボードが設置され、フロアには決勝戦の模様が繰り返し流されていた。ボードは決勝進出後に準備され、くす玉は優勝後のこの日朝に用意されたという。

施設の職員は「前から応援していました。“おおさか”つながりでもありますし」と笑顔。この日、開かれていたテニススクールの松田和広チーフコーチ(39)は、直接指導したことは無いというが大坂の活躍に「今朝(の決勝)は早起きして見ていました。(優勝に)なおみちゃんより号泣しちゃいましたね」と感激しながら話した。

ボードの報道紙面は明日10日、優勝バージョンに更新されるそうだが「号外は出ていないんですか? テニス業界にとってはそれくらいのこと。オリンピックで金メダルを取るとか、そういうレベルではないですよ」と大坂の偉業度合いを熱弁した。

大坂の優勝後、取材依頼も殺到しているといい、「今後はスクールの生徒も増えるんじゃないですかね」と大坂効果への期待も口にした。

大坂は14年に同会場で行われたジャパン女子オープンに16歳で出場。2回戦で敗退したが、当時を観戦したという50歳男性の利用者は「その時から200キロのサーブを打っていた」と弾丸サーブが印象に残っているといい、「まさかグランドスラム大会を優勝するとは」とその成長に驚きを隠せなかった。

同施設では4歳から高校生までのジュニアスクールが開かれており、この日参加していた小学6年生の女子は「日本の選手が優勝してうれしい」。大坂も幼少期に立っていた同じコートでの練習に「うまくなれそう」と目を輝かせていた。