2025年の国際博覧会(万博)の開催地を決める博覧会国際事務局(BIE)総会が23日、パリで開かれ、加盟国による投票の結果、大阪誘致を目指す日本に決まった。ロシア(エカテリンブルク)とアゼルバイジャン(バクー)も立候補。投票は1回目では決まらなかったが、最後はロシアとの決選投票を制し、し烈な誘致レースを勝ち抜いた。大阪での開催は1970年以来で55年ぶり2回目で、国内では05年の愛知万博以来20年ぶり。

大阪府と大阪市は官民一体でのプロモーション活動を行ってきた。世論を盛り上げるために誘致委員会は著名人を積極的に起用してきた。誘致の顔となるアンバサダー(大使)には、お笑いコンビ・ダウンタウン、歌舞伎俳優の片岡愛之助らが就任。日本政府も世界的な知名度があるサッカー選手の本田圭佑、12年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大教授に協力を仰ぎ、世界へ発信した。

大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに健康、医療に関する技術貢献を目指す。6月のBIE総会でのプレゼンでは山中教授が登壇、万博を「偉大な実験室」と位置づけ、最新技術を集め再生医療の取り組みを促進すると強調した。

誘致委員会の構想では大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)内の155ヘクタールを会場に、25年5月3日~11月3日の185日間開催する計画。政府は万博会場の建設・運営や来場者の消費支出による経済波及効果を約1兆9000億円と試算。大阪府・市は24年までに夢洲にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致も目指す。万博とIRのセットが関西経済の浮揚に向けた起爆剤になる。