自民党の小泉進次郎厚労部会長は6日、衆院本会議で行われた丸山穂高議員に対する「糾弾決議」の採決に、出席しなかったことを明かした。

本会議後、取材に答えた。ただちに進退を促す内容の決議の場を欠席した理由について、国会議員は選挙で有権者で選ばれるという原則が、自身の考えのベースにあることを、繰り返し訴えた。主な発言は以下の通り。

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進次郎氏 糾弾決議が可決ということになりましたが、私は出席せず、乗りませんでした。もちろん、丸山氏の発言や言動はかばえるものではない。でも議員の出処進退は、議員1人1人が判断すべき。多くの方が「辞めるべきだな」と思う人が辞めなかった時、今後どうするかを判断するのは、選挙です。それが有権者に与えられた民主主義という力ということを、今回の件を通じ、国民全体でも考える1つの機会にしてくれたらという思いです。

 

これから選挙のシーズンですが、選挙は大事です。丸山さんだって、(前回の衆院選で)丸山さんと名前を書いた人がたくさんいた。選挙で議員を選ぶというのは、それだけ大事なことなんです。

 

そういったことが問われるべきメッセージであり、国会が裁くかどうかが問われるというのは、今回の問題の決着として違うのではないかという思いがあった。一般的には分かりにくいと思います。なぜ、かばえる余地がない議員の糾弾に乗らないのか、と。でも私はここで問うべきことは、もう1つ先にあるのではないかと思います。

 

-丸山議員の説明責任についてどう思うか

 

進次郎氏 それも含めて議員の判断ですよね。1つ1つの案件にどう行動するかも含め、最後、任期の中でどういう政治活動をしたのかを判断するのが、選挙ではないですか。みんなで糾弾するというのは、自分の中では、ふに落ちない。丸山さんの言動はかばえるものではありませんが、国会としてどうするかは、冷静に判断すべきことがあるのではないか。

 

-院として、1つの姿勢を示さないと、という側面もあったようだが

 

進次郎氏 (糾弾決議は)何がきっかけなんですかね。空気なんですかね、世の中の。「何もしないわけにはいかないだろう」という、世の中に対する忖度(そんたく)? そういったことで、本当に院として1議員を、どれだけかばう余地がなくても、糾弾し進退を促す。それこそまさに、今回問われるべきことではないですか。

 

残念だけど、きっと将来、きっと国民の皆さんから批判されるような言動が、また政治家から出るとしますよね。その場合、どういう基準で、糾弾するかしないかを決めるんですか。それが明確でない中、この決議の理由には、「議員としてというより人間としての品位を疑わせる」と、「人間として」とまで書いているんです。

 

個人に対する個人の批判は自由だし、政治家も甘んじて受けないといけない立場と思うが、国会としてというのは、次元が違う話だと思っています。

 

これだけ投票率が低く、政治に対する関心も低い。その中で、今回のことを災い転じて福となすという方向に進められるとしたら、「だから選挙、政治って大事なんだ、だから、政治家の言葉は大事なんだ」ということが、国民に届くこと。参院選がもうすぐあるなあ、その時はしっかり選ぼうと。そう考えていただく機会にすることが私はいちばん大事だと思います。私がいちばん届いてほしいと思うのは、そういうメッセージです。