プロ野球ヤクルトで活躍したスポーツライターの青島健太氏(61)は13日、国会内で自民党埼玉県連(新藤義孝会長)の国会議員らと会い、埼玉県知事選(8月8日告示、25日投開票)への出馬要請を正式に受けた。「青島健太、大変なことになったなという感じですが、育った埼玉県の知事という話で非常に光栄でありがたい」と述べ、家族らと相談し、来週にも結論を出す意向を示した。

「政治経験のない私に務まるのかという思いはある」とした上で、「知事になることが目的ではなく、知事を通して何をするか。埼玉をこうしたいというアイデアは持っているつもり」と強調。「野球やサッカーなどスポーツのコンテンツが豊富。つなげるだけで相当なパワーが生まれる」と、スポーツを生かした街づくりへの思いも口にした。

昨年以降、県の政財界関係者とラグビーワールドカップ(W杯)や20年東京大会への意見交換をする中で出馬要請に至った。「尻込みする思いは当然あるが、それに負けないくらい、埼玉はもっとよくなるはずとの思いもある。その心をどう整理するかという心境」と、出馬に前向きな姿勢をにじませた。

慶大法学部政治学科で学び、「1人の社会人として、行政や政治について考えながらやってきた」。野球でキャプテンや監督の経験が豊富で、「人と人を結びつけるオペレーションは得意中の得意」とも話した。新藤氏は「最大の理由はリーダーシップ。所属チームすべてで主将や社会人野球の監督を務め、どんな分野でも力を発揮できる指導力がある。埼玉県に新しい風を起こしてくれる」と期待を示した。【中山知子】

◆埼玉県知事選をめぐる動き 4期目を務める上田清司知事(71)は不出馬の意向を固めた。自民県連は前回、自ら決めた多選自粛条例に反して出馬した上田氏と対立し、心臓外科医、天野篤氏の出馬を模索したが、断念。別の候補を擁立したものの、上田氏に大敗した。今回の知事選では国民民主党の大野元裕参院議員(55)が5日、無所属での出馬を表明。希望の党を離党した行田邦子参院議員(53)も出馬を表明している。