第199臨時国会は1日、召集され、7月の参院選で初当選した、れいわ新選組の舩後靖彦氏(61)木村英子氏(54)ら新人議員が初登院した。れいわの2人が行く先々、報道陣が殺到。党への高い注目を示すように、同日夜、選挙後初めて街頭に登場した山本太郎代表の演説には、1000人を超える聴衆が約2時間耳を傾け、山本氏は「政権を仕留めに行く!」と政権批判で気勢を上げた。

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令和で初めて召集された「バリアフリー国会」。象徴となった舩後氏と木村氏は、本会議後、山本氏とともに国会内で会見した。「議場の天井がきれいだった」(木村氏)「厳粛な雰囲気だった」(舩後氏=介助人を通じたコメント)と語る2人を、「私は党職員の1人」と語る山本氏が「先生」と呼び、出迎えた。

山本氏は落選したが、参院選で約99万票を獲得。「旬の政治家」となり、今後、積極的に動く考えを示した。当初2人が希望した厚労委員会所属は実現しなかったが「バリアフリーでは、与党に引っ張ってもらい感謝している。自民党にお願いに上がることもあると思う」と、最大会派自民党への直談判計画を表明。「いつまでも(参院選で訴えた)『消費税廃止』を叫ぶ万年野党になるつもりはない」と、消費税率5%を旗印にした野党連携を引っ張る意欲もみせた。部屋に入りきれない報道陣を見て「この盛り上がりが(選挙戦中に)あれば、他のメンバーも当選できたかも」と、あてこする場面もあった。

1日夜には、れいわ遊説の「聖地」となったJR新宿駅西口に1人で登場。「れいわが始まる」と題した「街頭記者会見」を開いた。一般の人からも質問を受ける独自のスタイル。夜も気温30度近い蒸し暑さの中、1000人を超える人が2時間以上、耳を傾けた。

「解散総選挙はいつあるか分からない。野党をつぶすなら秋かもしれない」と述べ「あなたが、支援を横に広げてほしい。(政権を)仕留めに行こう」と、打倒安倍政権を宣言。衆院選に向けた党の体制づくりへ「9月から全国行脚する。しつこく回る」と述べ、衆院選は100人規模で戦う構えを重ねて示した。

「この国がやっていることは皆さんへのDVだ。政治は選挙でダイナミックに変わる」。聴衆をあおりながら、巻き込む「太郎節ムーブメント」が、再び幕を開けた。【中山知子】