史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(17)が1日、大阪市の関西将棋会館で指された第69期王将戦2次予選決勝で谷川浩司九段(57)を57手で破り、初の挑戦者決定リーグ入りした。最年少での初のタイトル獲得へ、前進した。

   ◇   ◇   ◇

初タイトルへ、また1つの大きな山を越えた。21歳と史上最年少で名人を獲得した谷川は、タイトル通算獲得27期のレジェンド。中学2年でプロ入りした「天才棋士」同士の対局だった。激しい攻め合いの末、最後は藤井が投了に追い込んだ。

対局後、藤井は「激しい展開だった。積極的に指すことができた」と振り返り、「初めて谷川先生と対局することができてよかった。子どものころ、谷川先生の鋭い『光速の寄せ』にあこがれていました」と話した。

王将戦の挑戦者決定リーグは、シードの4棋士、2次予選を突破した3棋士、計7棋士の総当たり。確定している顔触れは、久保利明前王将(44)、豊島将之名人(29)、元竜王の糸谷哲郎八段(30)、広瀬章人竜王(32)。2次予選の他の2枠の決勝カードは、三浦弘行九段(45)対佐藤天彦九段(31)、羽生善治九段(48)対郷田真隆九段(48)。藤井以外は全員が、現役タイトル保持者か、獲得経験者。渡辺明王将(棋王・棋聖=35)への挑戦権獲得には大きな壁が立ちはだかる。

「トップ棋士の方と戦えるのは非常に楽しみです」と意気込んだ。タイトル戦出場の最年少記録を持つのが屋敷伸之九段(47)で、挑戦は17歳10カ月、獲得は18歳6カ月。藤井が挑戦者決定リーグを勝ち抜けば、屋敷が持つ最年少タイトル挑戦記録を大幅に更新することになる。