クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から新型コロナウイルスの感染者らを受け入れた愛知県岡崎市の住民説明会で、厚労省東海北陸厚生局の金井要局長が「ゴジラでもなければ」と発言をしていたことが20日、分かった。

4月に開院する藤田医科大岡崎医療センターで、症状は出ていないが感染が確認された人や同行を希望する人を受け入れた岡崎市では18日夜、住民説明会を開き、約200人が参加した。岡崎医療センターの向かいに市立岡崎小があることから、質疑応答で住民から「児童に感染の恐れはないのか」という質問が上がったところ、金井局長は「飛沫(ひまつ)感染です。直接触らないと感染しません」と前置きした上で「道を挟んでいる小学校まで飛ばすほど大きなせきをする人はいないと思います。ゴジラでもなければ」と回答した。

金井局長は「すいません。最後はジョークです。笑っていただいてよろしいんですが」と付け加えたが、場違いな冗談に「笑えないよ」「不謹慎」と声を上げる住民がいたという。

金井局長の発言は、20日の衆院予算委員会で国民民主党の大西健介氏が取り上げ、「住民の皆さんに失礼かつ、あまりに緊張感のない発言だ」と処分を求めた。加藤勝信厚労相は「住民が不安を抱えながら来られている説明会で、笑いを取るのは全く不適切な対応。至らない発言だった」と陳謝した。

岡崎医療センターには19日未明、陽性反応者24人と同行を希望した人ら32人が到着。4人に発熱など肺炎の疑いがみられ、愛知県内の医療機関に搬送された。21日までに最大170人を受け入れる予定。