安倍晋三首相は25日の記者会見で、賭けマージャンが明るみに出て辞任した黒川弘務・前東京高検検事長に対する訓告処分や、退職金の満額支払いに国民の批判が強いことについて問われた際「退職金については、訓告に従い、減額されていると承知している」と述べた。

満額の場合、黒川氏に支払われる退職金は約6000万円ともいわれているが、首相は金額には触れなかった。

首相は、国家公務員法の懲戒に当たらない、今回の訓告処分について「法務省の対応を了承しており、総理大臣として行政府の長として、責任を持っている」とした上で「国民の批判は真摯(しんし)に受け止めないといけない」と述べた。

黒川氏の処分をめぐっては、事実関係を調査した法務省が国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断しながら、最終的に官邸がそれを覆す形で、軽い訓告にしたとの指摘が出ている。

この経緯を問われた首相は「処分は21日に、法務省から検事総長に対し『訓告が相当』との考えを伝え、検事総長も訓告が相当と判断して、処分したと承知している」と述べ、「官邸主導」によるとの見方を否定した。

「私自身は、森法務大臣から、事実関係の調査結果を踏まえ、処分を行ったこと。その上で、黒川氏本人から辞意の表明があったのでこれを認めたいとの報告があり、法務省の対応を了承した」とも述べた。