島根県と松江市は9日深夜、新型コロナウイルスに92人が感染したと発表した。うち88人は私立立正大淞南高の男子生徒86人と男性教員2人。サッカー部の寮で国内最大規模のクラスター(感染者集団)が発生したとみられる。同部は全国高校選手権18回出場の強豪校。

同校では8日にも生徒1人がPCR検査で陽性と判定され、9日に生徒135人、教職員6人をPCR検査したところ88人が陽性となった。うち86人が生徒で2人が教員。生徒のうち80人はサッカー部の寮で生活しており、教員2人も同部関係者だという。

症状の出ている生徒は30人で全員軽症で、医療機関に入院する。症状のない生徒は寮で療養するという。同校のホームページは8日の時点で「現在、感染経路は調査中であり、保健所の指導の下、関係者の行動履歴を確認し、感染拡大防止の対応を行っています」と報告。同校は生徒数310人で、7日に終業式を行い、18日まで夏季休業中。今後、学校関係者全員に幅広く検査していくといい、さらなる感染者数の増加も懸念される。

同校では、コロナ対策としてトイレの蛇口や便器などを自動で水が流れるものに変更するなど感染対策を進めていた。同校は、男女共学で寮が複数ある。部活動に力をいれており、野球部も強豪校として知られている。

◆立正大淞南 1961年(昭36)創設の私立校。立正大の準付属校。サッカー部は全国高校選手権18回出場、18年連続でプロ選手を輩出。野球部は全国高校野球選手権大会に2回出場。マーチングバンド部は全国大会6回出場。ほか、射撃部もジュニアオリンピックで優勝経験がある強豪校。主な卒業生は、元サッカー日本代表の岡野雅行氏、セレッソ大阪の松田陸、プロ野球広島の中村恭平など。