新型コロナウイルスの感染が急拡大している兵庫県は21日、対策本部会議を開き、政府に対する緊急事態宣言の発令要請を正式に決定した。会議後、兵庫県の井戸敏三知事(75)が記者会見を行った。

すでに緊急事態宣言を政府に要請した大阪府の吉村洋文知事(45)は、府内で開催されるプロ野球、Jリーグなどのスポーツイベントについて「緊急事態宣言期間中は原則、中止、延期をすべきだと思っている」としている。

兵庫県にはプロ野球・阪神タイガースの本拠地となる甲子園球場がある。井戸知事はプロ野球の中止・延期について「プロ野球は日程に決まっている。チケットの前売りもしている。試合まで『やめなさい』とまで踏み切るかどうかですね」と述べた。

個人的な見解として「感染リスクを考えれば、そこまで踏み切る必要性はないのでは。ただ一方で観客をどうするのか。観客数をしぼっても、売店などの取り扱いをどうするか。いまと同じような状況を続けるのはいかがと思う」と話した。

さらに「これは兵庫県だけで決めることができる話ではなく、日本野球機構(NPB)とも相談しなければいけない。政府の検討状況を踏まえさせていただきたい」と答えを保留した。 16年ぶりのリーグVへ開幕から爆走する阪神。トラファンへのメッセージとして、観戦スタイルの“変化”にも言及した。井戸知事は「(甲子園球場の)観客は10分の1しか入っていない。それをさらにしぼるか。飲食の取り扱いをさらに厳格化を進め、感染力を抑える。そこまでやってもだめなのかが問われる。つまり無観客みたいなこともやらなければいけないのかが問われる」とした。

一方で21日の兵庫県の新規感染者数は過去最多の563人が確認されたと発表。井戸知事は「医療状況も新規感染者数も厳しい状況にある」と危機感をにじませた。

また大阪とは「兵庫と大阪は同一交流圏。できるだけ同一歩調を取った方がいい」とも話した。