大阪府の吉村洋文知事(45)は11日、府庁で取材に応じ、立憲民主党の枝野幸男代表(56)の新型コロナウイルスの感染拡大による大阪府の病床逼迫(ひっぱく)について「一番悪いのは大阪府知事」と非難した発言に対して「枝野議員の事実誤認」とかみついた。

枝野代表は10日の衆院予算委員会で、大阪府は2度目の緊急事態宣言が解除された3月1日、重症者用の病床確保数を3割減らす通知を出したと紹介。枝野氏は吉村知事の「明らかな判断ミス」と指摘。「残念ながら無責任な知事もいる。政府はしっかり対応してほしい」と皮肉った。

吉村知事は「前提として間違っているところがある。病床というのは確保病床と運用病床がある」と枝野代表に呼び掛けるように説明を始め、「枝野議員がどちらのことを言っているのか、分からないが、確保病床とは病院にコロナ治療でこれだけの病床を確保してくださいという病床数。いまはそれを超える数をお願いしている」と現状を交えながら話した。

さらに「もう1つは運用病床。これは確保病床を確保した上で、感染者の状況の応じ、コロナ以外の他の病気もあるので、コロナの感染者が減ってくると、フェーズに合わせて運用病床を減らしていく。感染者が増えてくると、運用病床を増やしていく」と詳細について言及した。

その上で「確保病床は減らしていない。あたかも確保病床を減らしたかのような指摘ですが、これはまったくの事実誤認です」と強調した。

枝野代表は「(緊急事態宣言が)解除された3月1日、重症病床の確保数215床を3割減らして150床まで縮小するという通知を病院に出している。病床不足に輪を掛けた。この早すぎる解除を求めたこと。重症病床を減らすと通知を出したこと。明らかな大阪府の判断ミス」と指摘した。

これに対し吉村知事は「患者が減ると運用病床は減らしていく。確保病床を減らして、どうしようもなくなったという指摘は違うんじゃないか」と激しく反論し、その上で枝野代表に「何を減らしたのか、枝野議員には、そこを明確にしていただきたい」と“回答”を求めた。