18歳の女子学生に飲酒させたと一部週刊誌で報じられ、10日に自民党を離党した吉川赳衆院議員(40=比例東海)について13日、自民党内から議員辞職を求める声が高まっている。

世耕弘成参院幹事長は、党参院議員総会で「議員辞職も求めていきたい」と強硬姿勢で参院選(22日公示、7月10日投開票が有力)への影響を回避したい考えだ。

今国会は15日の会期末が目前で、想定される投開票日まで残り1カ月を切った。世耕氏は「気の緩んだ議員がいたのが、本当に残念でならない」とし、「さっさと党を出て行ってもらったが、(吉川氏は)比例で復活した議員。当然、自民党の議席だ」など問題収束に向けて吉川氏の議員辞職は避けられないとの認識を示した。

吉川氏が所属する岸田派を率いる岸田文雄首相も厳しい姿勢を明らかにした。この日の参院決算委員会で野党からの質疑に対し、「離党したとはいえ、本人は国民に何も説明していない。事実はどうであったか説明してもらいたい」と突き放した。松野博一官房長官も「政治家は、国民から疑惑を持たれるようなことがあった場合には自ら説明すべきだ」とした。

岸田首相は夕方から党本部で行われた役員会に出席し、茂木敏充幹事長から吉川氏の離党について報告を受けた。党幹部の1人は「参院選を前に一刻も早く、辞めてもらいたい」と風当たりは強まるばかりだ。

吉川氏は10日夜、党本部に離党届を提出したが、いまだに会見など公の場での説明を一切、行っていないことも、党内から批判が噴出している。この日も吉川氏の議員会館内事務所は電話の応答がなく、雲隠れ状態だ。このまま選挙戦に突入すれば、野党側からの集中砲火は必至。吉川氏は自身の出処進退について、自らの言葉で語る決断を迫られている。