東京・神宮外苑再開発や、秩父宮ラグビー場の移転に反対の声をあげているラグビー元日本代表の平尾剛さんは4日、自身のツイッターを更新し、再開発に反対する立場を表明していた音楽家の坂本龍一さんが3月28日に亡くなったことを受けて、思いをつづった。

「坂本龍一氏の訃報に触れ、戦場のメリークリスマスを電子ピアノで練習していた20代を思い出す。神戸製鋼に入社してまもなくのころ、モヤモヤを吹っ切ろうと寮の自室でひたすら弾いてた」と、坂本さんをめぐる自身の思い出をつづった。

その上で「闘病のなか、神宮前再開発に反対の意を果敢に表明したその遺志を、僕なりに引き継ぎたい」ともつぶやいた。

平尾さんは今年1月、秩父宮ラグビー場の移転に反対するオンライン署名を立ち上げた。3月28日には、再開発計画の見直しを求める要望書を、東京都の小池百合子知事に提出した。現計画では、秩父宮ラグビー場は神宮球場と場所を入れ替える形で、解体、新築される予定だが、新しいラグビー場の屋根が開閉されないことや人工芝のグラウンドになること、観客席数が4割削減されることなどの問題点を指摘。移転、新築ではなく、リノベーションによる継続使用を求めている。

また、再開発で多くの樹木が伐採されることや、名所のイチョウ並木にも影響が及ぶことにも言及。要望書には「環境破壊を伴う競技場の新設はスポーツ界の潮流からもずれています」「(計画が)強行されてしまうことになれば、計画を承認した小池都知事が『伝統ある秩父宮ラグビー球場を破壊した都知事』として皆の記憶に残ります」などとも記している。