英国のチャールズ国王(74)が6日午前11時(日本時間同日午後7時)から、戴冠式に臨む。同国で1000年以上、歴代君主が君主交代に伴い臨んできた伝統儀式で、昨年9月のエリザベス女王の死去に伴うもの。

今回は、1953年(昭28)に行われたエリザベス女王以来、70年ぶりに行われる。エリザベス女王の時は史上初めてテレビ中継されたが、今回はSNS時代に入って初めての英国王の戴冠式となり、世界の王室ファンの関心を集めている。

英国らしく、「ゴールデン・オーブ(金の宝珠)作戦」というコードネームが付いた戴冠式は、女王の国葬も行われた王室ゆかりのウェストミンスター寺院で行われる。チャールズ国王は、君主の戴冠の際だけに使用される重さ2キロあまり、ルビーやサファイアなど多くの宝石がちりばめられた1661年製の「エドワード王冠」を頭にいただく。式が終わると外し、通常の行事で使用される「大英帝国王冠」をかぶる。妻のカミラ王妃も王冠を授けられ、正式に「クイーン」の称号となる。

国王夫妻はバッキンガム宮殿と寺院の間の片道約2キロを馬車で移動するが、沿道で大勢の観衆が見守るパレード形式となる。馬車は、時代背景の異なる2台が使われる。国王夫妻はまず、バッキンガム宮殿を「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」と呼ばれる馬車で出発。エリザベス女王の即位60年を祝い2012年に製作された、空調付きの現代風馬車だ。

一方、宮殿に戻る際は、1762年に製作された「ゴールド・ステート・コーチ」と呼ばれる年代物の豪華な馬車に乗り換える。乗り心地はかなり悪いとされ、国王夫妻の年齢を考慮して復路だけになったといわれている。

式では、長男ウイリアム皇太子(40)が「忠誠の誓い」を行うほか、皇太子の長男ジョージ王子(4)も未来の国王として、チャールズ国王の付添人の1人を務める予定。国王夫妻はバッキンガム宮殿に戻った後、ロイヤルファミリーとともにバルコニーに出て、国民の祝福を受ける。

式には各国から約2000人が招待され、日本からは秋篠宮ご夫妻が出席する。エリザベス女王の際の8000人からは大幅に減少した。式典の時間も1時間あまりと簡素化された。物価高や生活苦に苦しむ国民感情への配慮といわれるが、英メディアは、それでも総経費が2億5000万ポンド(約423億円)にのぼると報じている。

一方、王室を離脱して王室批判を繰り返し、国王や兄との確執が伝えられる次男ヘンリー王子(38)は1人で、居住する米国から空路、英国入りする。妻メーガン妃は、当日が長男アーチー王子(4)の誕生日という理由で欠席を表明した。ヘンリー王子と父や兄との交流の時間は見込まれておらず、欧米メディアによると、王子自身も式の直前に英国入りし、式が終わると米国にとんぼ返りし、息子の誕生パーティーに駆けつける「弾丸帰国」となる予定。英王室とヘンリー王子夫妻のぎくしゃくした関係を象徴するが、戴冠式が王子と国王や兄の「歩み寄り」の機会になるのか、こちらにも注目が集まっている。

式典の模様は世界各国で生中継される予定だ。