将棋の藤井聡太8冠(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が12日、地元の愛知県瀬戸市の名古屋鉄道「尾張瀬戸駅」で、王将の駒のステッカーを貼った「将棋とれいん」の発車式に出席した。

駅長の制服を着た藤井は右手を大きく上げ「発車!」の合図を送った。発車式前には母校の瀬戸市立效範(こうはん)小学校の児童約100人との交流会に出席した。

名古屋鉄道は鉄道沿線の価値向上を図るプロジェクトの第1弾として、藤井が瀬戸線にゆかりがあることなどから日本将棋連盟とコラボレーション。12日から1カ月間、藤井の地元である瀬戸市と名古屋市を結ぶ瀬戸線(栄町~尾張瀬戸、20・6キロ)で、「将棋とれいん」1編成(4000系 4両)の運行をスタートした。車内には将棋のルールや藤井が創作した詰め将棋の問題が書かれたポスターなど掲示。今後は日本将棋連盟と協力し、沿線の学校への棋士派遣も行う。

この日、藤井が車内アナウンスを務めた「将棋とれいん」には後輩の児童たちも乗車し、尾張瀬戸駅から尾張旭駅を運行した。

先輩への“車内質問大会”もあり、「将棋以外に好きなことは?」の質問に「特に好きなのはいまも乗っている鉄道です。列車に乗るのも大好き。特別な列車に乗ることができて、ひそかに興奮しています」と声を弾ませた。

大役を終えた藤井は「実際に走っている列車での車内アナウンスはとても緊張しました。瀬戸線には乗る機会があるのでまた練習して、今回よりもうまく車内アナウンスをしたい」と“再挑戦”も視野に入れていた。