衆院3補選が28日、投開票され、9人が乱立した衆院東京15区補選では立憲民主党の元江東区議、酒井菜摘氏(37)の当選が確実になった。

酒井氏は、助産師や看護師として12年間、医療現場で働いた経験を持つ。28歳の時にがんと診断され闘病した経験が、政治の道に進む1つのきっかけになり、その後、江東区議に。2期目途中の昨年12月、出直し江東区長選に出馬したが次点となり今回は、リベンジを目指す戦いだった。

街頭演説では「誇りを持っているこの街で、政治の汚職が続いている。衆院議員が2人続けて辞職し、本当はやらなくてもいい選挙をやることは終わりにしたい。この街の政治を良くしたい」と訴えた。約700人いる衆参両院議員に、助産師の資格を持つ議員が誕生すれば自身が初めてだとした上で、これまで経験した人の命に向き合う仕事を、議員の仕事にも生かしたいと主張。「区議として、声を上げたら変えられることを実感してきた。汚職政治はこれでやめにして、まっとうな政治を取り戻したい」と訴えていた。

立民は泉健太代表をはじめ執行部メンバーや蓮舫、辻元清美の両参院議員らが連日応援に入り、共産、社民両党や市民連合の支援も受け、序盤から他候補をリードしていると伝えられてきた。

同補選には、NHKから国民を守る党の福永活也氏、無所属の乙武洋匡氏、参政党の吉川里奈氏、無所属の秋元司氏、日本維新の会の金沢結衣氏、つばさの党の根本良輔氏、日本保守党の飯山陽氏、無所属の須藤元気氏も立候補した。