石破茂首相は14日の参院予算委員会で、政治活動ではなく法的に問題ないと主張する新人議員への商品券配布問題に関連して答弁している中で、自身が若手のころ、渡された「おみやげ」を、移動の航空券に活用した思い出を打ち明ける場面があった。
質問した立憲民主党の岸真紀子議員は「それは政治活動ととらえられる。今回も本当に政治活動ではないのか?」と追及。石破首相は今回の新人議員への商品券配布は政治活動ではないと従来の主張を述べ、政治資金規正法に抵触しないとの考えを、繰り返し主張した。
石破首相は、岸氏とのやりとりの中で自身の若手議員時代の懐事情に触れ「多くの借金を抱え、どうやって秘書さんの給料や事務所の家賃を払ったらいいのか、どうやって借金の利息を払おうかと考えていた。そういう時に、『おみやげ』というより、私も若いころにいただいたことがありますが、それは右から左に、いろんなものに消えていきました」と言及。現金化が可能なものをもらったことを示唆した。
首相はさらに「その中で自分の手元に残ったものは、まったくない。私ごとですみませんが、(いただいたものを)そのまま持って、ホテルの旅行代理店に行って航空券に替えたことを覚えている。当時は国鉄パスの時代でしたので」と述べたが、委員会室はざわつき始めた。
石破首相は「(新人議員に自身が渡したのは)高額なおみやげというより、本当に苦労した(議員の親族の)方々に食事を差し上げることもできない。できたら、ハンカチやお菓子でも買ってねという気持ちだった」と釈明し「その金額が、一般の常識とかけ離れているという指摘は大変申し訳ございません。私自身の足らざる所です」と陳謝した。
これに対し、岸氏は「総理が前半でおっしゃったご自身の経験でいうと、政治活動ととらえられるのではないか?本当に(今回も)政治活動ではないのか」と迫ったが、石破首相は自身の経験には言及せず「私がそういうものを差し上げたというのは、政治活動の目的を持つものでは、まったくない」と主張。首相答弁には、野党席から疑問のやじも飛んだ。
石破首相は「私は自分の経験を申し上げただけ」とした上で、今回の問題にすり替え「(新人議員には商品券を)本当に慰労に使ってねと申し上げた。そこは適切な適切に使ってくださいねと申し上げている」と強調したが、受け取った議員側は返却したと伝えられている。
岸氏は「総理の若いころは航空券などの移動手段に使ったとなってくると、(今回も)政治活動ではないかと言わざるを得ない」と批判。「法的に問題がなくても社会通念上、理解が得られるとは到底思わない。自民党の金銭感覚のズレを象徴していると感じざるを得ない」と切り捨てた。
一方、石破首相は、今回以外に何度、商品券を配布した経験があるのか問われると「常に、そういう会合が少ないとおしかりを受けている人間ですので、恐らく両手で数えて足りるか、足りないか、ぐらいではないか」と述べ、10回前後は行ったことを明かした。額は、1人当たり10万円を超えたケースはないとした。

