衆院選で自身を応援しなかった地元自治体の予算を「カットした」と発言し、その後撤回、謝罪した簗和生農相の騒動が広がる中、宮崎・新富町は9日、簗農相に対する「抗議声明」を、小嶋崇嗣町長の名義で公開した。

町の公式サイトにも声明がアップされた。簗氏は5月の自民党の会合で、選挙区の栃木・那須烏山市、那珂川町の道路予算を「カットした」と発言。那須烏山市は川俣純子市長が14日に市議会の臨時会を招集して「強く抗議する決議」を審議することを表明しているが、今回の発言に直接には含まれていない九州の自治体からも抗議の声があがる、異例の事態となっている。

新富町の小嶋町長は「地方自治体の長として強い憤りを覚えます」と怒りをあらわにし「名指しされた自治体の首長や住民の皆様のことを思うと、同じ首長として悔しさを感じずにはいられません。そして、この問題を決して他人事とは思えません」と問題視した。

また、簗氏の今回の発言を「国と地方の信頼関係を大きく損なうもの」と断じ「地方自治体の長として断じて看過できるものではなく、強く抗議いたします」としている。

新富町は宮崎県のほぼ中央部の沿岸地帯に位置し、人口は約1万6000人で面積は約61平方キロメートル。希少な国産ライチ、マンゴーなどのフルーツ生産が盛んなことで知られる。航空自衛隊新田原基地の所在地でもある。2月の衆院選での選挙区は宮﨑2区で、国民民主党の長友慎治氏が当選し、次点の自民党・江藤拓元農相が比例復活している。

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▼全文

簗農林水産大臣の発言に対する抗議声明

令和8年10月9日

簗和生農林水産大臣が、自身を支持しなかった首長のいる自治体について、道路予算を大幅に削減した旨の発言を行ったことに、地方自治体の長として強い憤りを覚えます。

名指しされた自治体の首長や住民の皆様のことを思うと、同じ首長として悔しさを感じずにはいられません。そして、この問題を決して他人事とは思えません。

そもそも、国の予算は誰のためにあるのでしょうか。

国の予算は、政治家への支持に対する報酬でも、不支持に対する報復の手段でもありません。

私たち首長は、住民の暮らしを守り、地域の将来に責任を負っています。そのために必要な予算が、政治的な支持・不支持によって左右されることなど、断じてあってはなりません。

実際に予算削減への関与がなかったとしても、このような発言は国と地方の信頼関係を大きく損なうものです。

今回の発言は、地方自治体の長として断じて看過できるものではなく、強く抗議いたします。

宮崎県新富町長 小嶋崇嗣