馬も歯が命。本日の「ケイバラプソディー~楽しい競馬~」は、大阪のことは(下村琴葉)記者が、馬の「歯」について注目した。
中井健司獣医師は馬体全体を整えるケアのひとつに、歯のメンテナンスを挙げる。ここでしか知り得ない「馬の歯」の重要性を教えてもらった。
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人間は歯が命、ということは現代において万人の知るところで、実は競走馬にも共通する。馬は歯をすりあわせてご飯を食べるので、少しずつ歯がすり減る。そのため、永久歯に生え替わっても歯は伸び続けるそうだ。上下の歯がかみ合わないところがあると、少しずつとがる部分が出てくる。それが内側の粘膜に当たり、痛みにつながる。
馬の操縦には、ハミを口にくわえさせる必要があるため、口腔(こうくう)内の状況はハミ受けにダイレクトに影響する。「手綱を引いた時に、痛くて頭を上げたりすることはあるので、乗りづらさにつながる」と中井獣医師は説明する。頭絡のような器具で口を開けたままに固定し、手で歯を触りライトで目視確認をする。細長いヤスリでとがった部分をといでいくのだ。
ヤスリにも角度がついたものなど種類は豊富だ。「動物の体の中で一番硬いエナメル質を削れるものだから、歯茎に当たったりすると、すごく痛い。繊細な動きが大事」。慣れない人がやれば数十分かかる難しい行為でも、中井獣医師の手にかかればトータルで5分もかからない。歯がやわらかく、伸びるのが早い2、3歳馬は2、3カ月ごとにメンテナンスを行う。
歯をとぐこと以外に、抜歯も重要な意味を持つ。2歳の秋から4歳頃に乳歯が生え替わる時期がくる。歯がぐらぐらするとご飯をうまくかめなくなったり、ハミ受けが悪くなるのだ。
馬にとって見慣れぬ器具を口の中に入れられることは怖いはずだが、意外とおとなしく受け入れていた。怖がる馬には首筋や顔をなでてコミュニケーションを取り、落ち着いてから治療を始める。「慣れさせてあげれば、ほとんどの子は大丈夫。ソフトなアプローチを心がけています」。大学生になっても子どものように診察してくれていた行きつけの歯医者さんを思い出した…。
「普段は馬体チェックとかもするけど、全体を見たときに、歯はとても重要な部分。体づくりの面で、しっかりと消化率を上げることが大事。それはちゃんとかめることや、口の中にストレスがないのが一番」
競走馬をベストな状態で出走させるために、このようなサポートがあることを知ってもらえたら幸いだ。




