いよいよ日本ダービーですね。短期間で3冠を終える米国は別として、異なる距離で季節をまたいで3冠が行われているのは今や日本だけかもしれません。

日本でも芝3000メートルのG1菊花賞の勝ち馬は、生産界から敬遠されがちでしたが、ワールドプレミアがロブチェンを出して重厚イメージを払拭(ふっしょく)。ジュウリョクピエロの父のオルフェーブルや、ダービーに2頭の産駒を送るコントレイルなど3冠を成し遂げた名馬が、種牡馬として成功しているのは、長距離G1勝ち馬はもちろん、英ダービー馬さえも障害用種牡馬となって、その血が生産界に還元されずにいる欧州と比べて、とても健全です。

英国には春の英2000ギニー(芝直線1600メートル)と英ダービー(芝2410メートル)、初秋の英セントレジャー(芝2920メートル)という日本のお手本になった3冠が存在するものの、近年、これをめざす一流馬は極めて少なくなっています。

アイルランド、フランス、ドイツ、イタリアでは、菊花賞に当たる競走が古馬に開放されるようになって、長距離戦はキャリアを積んだベテランに向けた番組として性格を変えました。

凱旋門賞はキングジョージや英ダービーと並んで2400メートルの頂点となるレースとしてホースマンの憧れとなっていますが、多くの生産者が求めているのは1600メートルのスピードで、マイルでの成績にプラスして2000メートルのG1競走(愛チャンピオンSや英チャンピオンSなど)の成績があれば、さらに高い評価を集めることとなります。

今シーズン、生産界の注目を集めているのはG1ドバイターフ(芝1800メートル)に優勝したオンブズマン(牡5、父ナイトオブサンダー)と不敗で英2000ギニーを制したボウエコー(牡3、父ナイトオブサンダー)でしょう。

ボウエコーは6月16日(火曜)のG1セントジェームズパレスS(芝1600メートル)で、英2000ギニーで2着した後、愛2000ギニーを制したグスタード(牡3、父スタースパングルドバナー)や仏2000ギニー馬のライフ(牡3、父シーザムーン)とぶつかって、3歳のマイルナンバーワンを競い、古馬のオンブズマンは凱旋門賞を制して、今年はG1ガネー賞(芝2100メートル)とG1アガ・カーン4世賞(芝1850メートル)を連勝中のダリズ(牡4、父シーザスターズ)とG1プリンスオブウェールズS(芝2000メートル)で激突が予定されています。

日本ダービーと同日の仏ダービー、来月6日(土曜)の英ダービー、そして注目の2レースを含む8つのG1競走が行われる英国ロイヤルアスコット開催と、目の離せないレースが続きます。

(ターフライター奥野庸介)

※レース結果等は2026年5月29日現在