<天皇賞・春>◇4日=京都◇G1◇芝3200メートル◇4歳上◇出走15頭

3200メートルの長距離戦であっても、スタートは大事です。ましてゲートに課題のあったヘデントールですから、好スタートを決めたことがまず1つ、大きな勝因でしょう。4枠6番の好枠でもあり、ラチ沿いのいい位置を取れて、余裕を持ってロスなく運べました。

天皇賞・春を制したヘデントールとレーン騎手(撮影・西尾就之)
天皇賞・春を制したヘデントールとレーン騎手(撮影・西尾就之)

もともと少し頭の高い走りをする馬ですが、レーン騎手がしっかり制御していました。手綱を長く持つ騎手が多い日本人とは違い、レーン騎手は両こぶしを馬の首の頂点から下にさげて手綱を押さえます。外国人騎手に多い乗り方ですが、ハミを下で受けさせて、頭を上げさせない。腕力も技術もいる御し方ですが、ヘデントールはずっと抑えが利いて、折り合っていました。道中の消耗の少なさが最後の手応えになったのは言うまでもありません。

とはいえ、同馬とは初コンビ。競馬で乗るのは初めてでした。投手の球が映像と打席で全く違うのと同じで、調教には乗っていても、レースになると力感も掛かり方も違います。しかも来日したばかりで、今春の京都芝にも適応しながら、長丁場で馬を操ったのですから、素晴らしいのひと言です。ヘデントールも鞍上の支持に従い、最後も抜かれる感じはありませんでした。まだ底を見せていませんし、凱旋門賞にも登録しているようですから、今後が本当に楽しみです。

2着ビザンチンドリームは最後方からよく伸びてきました。今回で454キロと小さめの馬ですが、スタミナがあり一生懸命に走る馬です。きさらぎ賞勝ちもありますし、京都の外回りが合うのでしょう。

3着ショウナンラプンタは、武豊騎手が流れが遅いとみて2周目の向正面で動きました。淀を知る鞍上の動きがレーン、シュタルケ両騎手の目標になった面もあるかもしれませんが、あそこで動かなければ3着はなかったかもしれません。4着サンライズアースも池添騎手が動いていこうとしましたが、馬が行かなかった感じです。気性面に難しさがあるようですし、そのあたりが成長すればもっとやれる馬でしょう。(JRA元調教師)

天皇賞・春を制したヘデントールをねぎらうD・レーン騎手(撮影・和賀正仁)
天皇賞・春を制したヘデントールをねぎらうD・レーン騎手(撮影・和賀正仁)