大波乱の主役となったフランス調教馬ゴリアット(セン4、F・グラファール)は今回がG1初挑戦初制覇となった。今シーズン2戦目のG3エドヴィル賞で重賞初制覇を果たすも、その後はG2シャンティイ大賞がジュンコの4着、前走ハードウィックSがアイルオブジュラから3馬身以上離された2着だった。単勝オッズは26倍で9頭立ての7番人気タイ(単勝26倍)。低評価を覆す大駆けとなった。

テン乗りで大仕事をやってのけたのは日本のファンにもおなじみ、フランスの天才騎手、クリストフ・スミヨン(43、ベルギー出身)。道中は中団後方に位置し、直線半ばでは前を走るレベルスロマンスの背後で持ったままの手応え。一気に抜け出すと、残り100メートルでは勝利を確信して、左手でスタンドに投げキッスし、6回ガッツポーズ。最後にもう一度投げキッスをしながら、馬上で立ち上がってゴール前を駆け抜けた。エピファネイアを圧勝に導いた14年ジャパンCのゴール前を思い起こさせる手綱さばき。フランス調教馬のキングジョージ制覇は06年ハリケーンラン以来18年ぶり。スミヨン騎手にとってもハリケーンラン以来18年ぶり2度目のキングジョージ制覇となった。

スミヨン騎手はレース後のインタビューで「直線を向いたときにウィリアム・ビュイック(レベルスロマンス)とライアン・ムーア(オーギュストロダン)の後ろで持ったままでした。早く先頭に立つつもりはなかったけど、合図を送ると、ギアが変わりました」と衝撃の勝利を振り返っている。