スノーボード男女ハーフパイプの予選が9日から始まる。最大の注目度、平野歩夢ら日本勢が繰り出すとされる大技「トリプルコーク1440(フォーティーンフォーティ)」だ。でもこの技っていったい、何がどうすごいの? 元プロスノーボーダーで、現在はSNSなどでスノボ情報を積極的に発信するチョコバニラボール新井さん(43)が、やさしく教えてくれた。【取材・構成=奥岡幹浩】
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日本勢の活躍が期待される男子ハーフパイプで、メダルの行方を大きく左右する技(トリック)となりそうなのが「トリプルコーク1440」だ。スケートボードとの二刀流でも注目を集める平野歩が、昨年12月に公式戦では世界初成功。日本勢ではほかにも戸塚や平野流が練習で決めていると言われている。
技名にある「トリプル」は縦に3回転することを示す。チョコバニラボール新井さんによれば、「コーク」とはコルクスクリューの略で、コルク用の栓抜きのように、らせん状に渦を巻く回転形式であることに由来。回転数が上がるごとにダブル、トリプル、クワッド…と増えていくが、ハーフパイプの壁はサイズに上限があるため(北京五輪では高さ6・7メートルのコースを使用)、従来まではダブル(縦2回転)が限界と思われていた。だからこそ、「トリプルコークは競技場のスペックを超えた技」と新井さんは表現する。
このトリプルコークに限らず、末尾にある3~4桁の数字は横回転の数を指す。1回転=360で、2回転なら720、2回転半で900…といった具合。というわけで、1440を360で割れば4、つまり横4回転となるわけだ。回転数を見極めるコツについて新井さんは、「左右どちらの足が前にあるときに飛び始め、着地のときはどっちだったか。まずはそれを把握することが、回転数を見極めるポイント」と説く。
トリプルコーク1440-斜め軸に縦3回転、横4回転するこの大技を、冒頭に名前を挙げた3人の日本選手はいずれも北京五輪で繰り出す可能性が高い。「強敵スコッティ・ジェースムは、多くの選手が苦手とするバックサイド(背中側から回転)のダブルコークを、メインスタンスとスイッチスタンスの両方で決められる。スコッティのオリジナリティーともいえるこのトリックを超える点数を出すには、トリプルコークが必要になってくる」と新井さんは分析する。
さあ、いよいよ決戦が幕を開ける。
◆チョコバニラボール新井(あらい) 1978年10月5日生まれ、埼玉県出身。19歳からスノーボードを始め、国内最大級のスノーボードコンテストといわれるX-TRAILなどで活躍。ヨネックスとスポンサー契約を結ぶ。本名は新井昌也。愛称はバニボ。現在はジャンプ施設の東海キングスを経営するほか、『チョコチャン』の番組名でユーチューバーとしても活動し、競技の普及に貢献する。ムーちゃん、モコちゃん、ムギちゃんの3匹の猫と共同生活中。




