混合470級は、岡田奎樹(28=トヨタ自動車東日本)吉岡美帆(33=ベネッセ)組が銀メダルを獲得した。8レースを終えて3位を保ち、上位10艇で争うメダルレースに進出。メダルレースは3位に入って銀メダルを確定させた。
1996年アトランタ大会の女子銀メダルの重由美子、木下アリーシア組、2004年アテネ大会男子銅メダルの関一人、轟賢二郎組以来、日本勢では20年ぶりのメダルの快挙となった。
ヨットの上で、吉岡と岡田が日の丸を掲げた。最後のメダルレースで3位に入って銀メダルを獲得。日本勢では20年ぶりの快挙に、2人はパリから飛行機で南へ1時間半のマルセイユのマリーナで笑顔を弾けさせた。
最後まであきらめなかった。第7レースでブイを回った際、スペイン艇に当たってしまったことによる2回転ペナルティーが響いて9着に終わった。目標の金メダルは遠のいたが、日本勢20年ぶりのメダルに向けて集中力を切らさない。クルーの吉岡は「やってしまったことは仕方がない」と前を向いた。最後まで全力を尽くした。
昨夏の世界選手権(オランダ・ハーグ)で優勝。自信を深めてパリに乗り込んでいた。大会前の会見で岡田は「3回やれば1回は取れるかな。(金以外の)メダルなら、3回やれば2回は取れると思っている」と宣言。吉岡は「うーん、金メダルを取れる確率は…」と慎重そうな口ぶりかと思いきや「70%ぐらい」と、さらに高い数字を示した。金メダルはならなかったが、しっかりと銀メダルを取って、その実力を示した。
21年東京五輪では岡田が男子470級、吉岡が女子470級に出場していずれも7位だった。吉岡は一時引退も考えた。だが、岡田は177センチと長身の吉岡と組んで、再び五輪に挑戦したかった。LINE(ライン)で連絡を取り合い、神奈川・大船の喫茶店で話し合う。そして2人でパリ五輪を目指すことを決意していた。
5歳から競技を始めた岡田は分析力や判断力に優れ、幼少期から全国大会で活躍。女子で長身の吉岡は高い身体能力を誇る。その2人の融合が相乗効果をもたらす。3年前の東京大会の悔しさを晴らす、銀メダルとなった。
◆岡田奎樹(おかだ・けいじゅ)1995年(平7)12月2日、大分県生まれ、福岡県出身。佐賀・唐津西高―早大卒、トヨタ自動車東日本所属。父の影響により5歳で競技を始め、幼少期から全国大会で活躍。スキッパーとして男子470級で21年東京五輪7位。好きな食べ物は丼もの。170センチ、65キロ。
◆吉岡美帆(よしおか・みほ)1990年(平2)8月27日、広島県生まれ、兵庫県出身。兵庫・芦屋高―立命館大卒、ベネッセ所属。高校の部活でヨットを始める。ポジションはクルー。女子470級で16年リオデジャネイロ五輪5位、21年東京五輪7位。好きなドラマは「ブラッシュアップライフ」。177センチ、73キロ。
◆セーリング 艇(ヨット)を操り、海面に設置されたマークと呼ばれるブイを決められた回数、決められた順序で回りながら、ゴールまでの着順を競う。96年アトランタ五輪までは「ヨット」と呼ばれていた。レースは計11回行われ、1位1点、2位2点、3位3点と順に加点され、最終レース終了時の合計点が最も低いチームが金メダルとなる。艇サイズにより男女各4種目混合2種目の計10種目に分けられ、今大会から追加された混合470級は全長4.7メートルの2人乗り。



