東京オリンピック(五輪)男子マラソン代表・服部勇馬(26=トヨタ自動車)が強化に取り組むスピードの成果を示した。1万メートルで27分47秒55の自己ベストを出した。

残り1周で鈴木健吾(25=富士通)とのスパート合戦を制した。外国人の実業団ランナーには先着を許したが、堂々の日本人トップだった。

「タイムに関しては満足」と振り返った。7月15日のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会1万メートルで自身初の28分切りとなる27分56秒32を出した。この日は「(月間)1000キロぐらい走り込んだ。位置付けとしては練習の一環」だったのに、それを9秒ほど上回った。

言葉の端々にも手応えと自信がにじんでいる。

「スピード持久力を磨き、(マラソンで2時間)4分、3分台を出せる選手になりたい。5分、6分以上を目指すには、1万メートル、ハーフマラソンでのスピードの絶対値を上げる。それが求められる」

「2、3年前に比べると、5分、6分は身近に感じられる。5分台を達成した時に、目標を見失わないように、4、3分台という目標設定をしている」

現在のマラソンの自己記録は2時間7分27秒だが、ごく自然と5分台や6分台という言葉が出てくる。それはスピードに対する自信が出てきたことの証しである。

今後は「年末にマラソンに出たい」と言う。培ったスピードを42・195キロに生かしていく。【上田悠太】