新型コロナウイルス感染拡大後、東京オリンピック(五輪)競技の屋内・対人種目では初の全日本級として開催されている大会の決勝が行われた。17~19日に行われた予選を勝ち抜いた男女6種目の計12人が日本一を争った。

第2試合は男子サーブルが行われ、この種目では史上最年少となる高校生王者が誕生した。小久保真旺(17=星槎国際高川口)が吉田健人(27=警視庁)に挑戦。序盤は一進一退の攻防が続いたが、小久保が跳び上がりながらの攻撃など派手に仕掛け、8-5とリードしてインターバルへ。後半は2ポイントしか許さず14-7からの最終ポイントも取って、拳を握って歓喜の絶叫を響かせた。

昨年のインターハイ(全国高校総体)王者、今年のジュニアW杯(ワールドカップ)銀メダルの小久保が一気に頂点へ。男子サーブルで高校生が優勝するのは史上初。17歳での制覇は、京都・平安高(現龍谷大平安高)時代の02年に男子フルーレを制した、日本協会の太田雄貴会長(34)に並ぶ記録となった。

優勝インタビューでは「まずうれしいです。思ったより緊張して自分のプレー出せるか心配だったけど、普段通りのプレーができてうれしい。勝因は、相手の動きに流されず自分から仕掛けたこと。いい経験になりました。来年は2連覇できるように頑張ります」と早くも宣言し「おいしい焼き肉でお祝いしてもらいたい」と笑顔で話した。

敗れた吉田は「勢いのある選手でペースに乗らせたら強い。それなのに終始、ペースをつかまれてしまった。自分の動きに持っていけなかった」と悔しそうに振り返った。【木下淳】