橋本聖子五輪相が10日、閣議後の記者会見に出席した。8日に日本スポーツ振興センター(JSC)が政府の緊急事態宣言を受け、オリンピック(五輪)・パラリンピック選手の強化拠点である東京都北区の、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)、国立スポーツ科学センター(JISS)を5月6日まで利用中止と発表した。

橋本氏は「今、JOCがそれぞれの競技団体から状況、悩み、課題を聞き取り調査している。その結果を受け止め、選手に寄り添う形の中で何が早急にできるか考えて行かなきゃいけない」と深刻に語った。

自身も元アスリートであり「日常的にいろんな相談をいただいている。世界レベルのアスリートの心理的な部分、トレーニング環境というのは、想像の範囲を超えるものがある」と理解を示した。

日本を始めコロナウイルスの影響で、トレーニングができないアスリートは多い。橋本氏は「今日、明日できる事をまた、来週にやろうということは、トレーニングだけにはならない。今日やるべき事を今日やらなければ、後戻りできない」。それが「トレーニングの価値」だと話した。

主な施設の使用中止は5月6日までとされているが「その間にどれだけの事をできるか」が重要だと話した。個人競技、環境が整わないとできない種目など、さまざまだ。それを踏まえ「1つ1つを早急に、JOCの報告をいただく中で、連携してやっていく」と話した。

日々、国内感染者数の最多記録が更新され、今後の見通しはなかなか立たない。今後について「コロナ対策とともに、同時に選手の健康管理とトレーニング環境(を整える)。そして、今まで培ってきた運動能力をどれだけ停滞させないで、精神的なモチベーションを来年に持って行くか。そのサポートを同時にやっていく。経験してきた身として寄り添っていきたい」と話した。