全日本柔道連盟(全柔連)は27日、東京・講道館で強化委員会を開き、女子52キロ級で17、18年世界女王の阿部詩(19=日体大)や男子73キロ級で16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)金メダルの大野将平(28=旭化成)ら男女12人を東京五輪代表に決めた。

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強化委員会では男女12階級の代表選考が審議され、男子60キロ級のみ「反対票」が投票された。同階級は17、18年世界王者の高藤直寿と世界選手権2年連続銅メダルの永山竜樹が争っていた。これまでの実績から「僅差」と見る委員もいて、投票者28人のうち高藤の賛成25票、反対3票となった。男子代表の井上監督は選考に関して「大一番の勝負を比較した。2人とも3回世界選手権に出場し、高藤は2回王者、永山は優勝候補でも1度も勝てなかった。最終的には(昨年11月の)GS大阪大会決勝の直接対決で高藤が勝ちきったことが大きな評価となった」と説明した。男子100キロ超級では、GSデュッセルドルフ大会を負傷により欠場した原沢久喜が2大会連続で選出された。GSパリ大会では、2番手の影浦心が五輪2連覇のテディ・リネールを撃破したが「1年間の成績を見る中で、リネール以外の他の海外選手との勝率なども判断材料にした」と話した。