「幼なじみ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。先日終了したプロ野球の日本シリーズでは、オリックス山本由伸投手と頓宮裕真捕手が話題になった。岡山の実家が隣同士とのことだった。「奇跡の幼なじみ」と呼ばれているとか。今回は、オリックスにまつわるもうひとつの「幼なじみ」のお話です。

福岡泉水はオリックス村西と幼なじみ。2人で故郷を盛り上げたい    
福岡泉水はオリックス村西と幼なじみ。2人で故郷を盛り上げたい    

日本シリーズとほぼ並行して、三国ボートではヴィーナスシリーズが開催されていた。ピットでオリックスのシャツを来ている選手を見つけた。「BUFFALOES BASEBALL」とプリントされ、メーカーのロゴが入っている。球団の練習着じゃないの? と思い声をかけた。選手の名は福岡泉水(26=兵庫)。淡路島出身のデビュー8年目、まだ優勝経験のない女子レーサーだ。

「村西と同級生なんです。レース場で着たいから何かちょうだいって言ったら、練習着とユニホームをくれました」。福岡は笑いながら言った。「村西」は村西良太投手。淡路島出身、今季は1軍で7試合に登板し0勝1敗、防御率6・17。2軍では22試合99イニングで、6勝5敗、防御率1・73で最優秀防御率を獲得した。今年はサイドスローからアンダースローに転向1年目。来季は強力投手陣の一角に食い込むと予想されており、球団からの期待も厚い。

「村西とは幼なじみ。保育園から小中高と一緒です。仲いいです。去年の年末年始も集まりました」。淡路市佐野で生まれ育ち、保育園、小学校は1学年が9人しかいなかったという。「淡路島あるあるです。田舎なので」と福岡は笑う。

村西は高校時代も目立つ存在ではなく、周囲はプロ野球選手になるとは思っていなかったという。19年、ドラフト3位で指名された時、地元は盛り上がった。「飲み会があると村西の話。昔はあんなに細くてガリガリだったのに!」。一軍で投げる姿にテレビで一喜一憂し、初勝利の際には同級生たちとお祝いの記念Tシャツを作った。「私の水神祭のTシャツは作ってくれなかった~」。そう言って、また笑った。

福岡は現在、淡路市在住。村西の妹とは、今でもよく遊ぶ仲だ。「妹とはずっと遊んでいます。本人も結構、地元に帰ってきているみたい。会った時は、お互い頑張ろうねって話をします」。野球とボートレース。競技は違えどプロアスリート。通じ合うものもあるだろう。「同級生で“プロ”は2人だけ。彼は郷土の誇り。私も頑張って2人で故郷を盛り上げたい。阪神の近本選手、村上投手も淡路島。淡路、頑張ってますよ」。

福岡には夢がある。村西の今季推定年俸は1700万円。福岡の今年の獲得賞金は768万円(11月9日現在)。いつの日か、年収で追い越し、ごちそうしてあげたい。「いいよいいよ、勝ってるから。アンタより稼いでるからって言いたい。目標です。村西におごりたい」。そのためにまずはA級昇格。オリックス期待の若手の年俸を越えるべく? 福岡は今日もボートに乗る。