吉田拓矢(31=茨城)がG2初制覇を成し遂げた。逃げた石原颯の3番手をキープすると、番手まくりの犬伏湧也を直線でかわして快勝。初の“夜王”の座についた。中割りを狙った新田祐大は2着、古性優作が3着に入った。

笑顔なき勝利だった。レース後の吉田の表情は、とてもG2を優勝した選手のものではなかった。

「真杉(匠)がSを取ってくれて組み立てやすくなった。でも、後ろに2人も付いてくれたのにこのレースでは…。2角から勝負したかったが、石原(颯)のかかりがすごかったし(番手から出た)犬伏(湧也)もすごくかかっていたので…。あのレースなら真杉が前でも(坂井)洋が前でも優勝したと思う。G2は勝ったことがなかったので、それは素直にうれしいが、喜べる内容じゃない」

ダービー王のプライドとして、ラインの先頭を回って自分だけ届くレースになったことに、自らが許せなかった。

それでも、石原ラインが押さえてきた時に単騎の新田祐大は絶対に前に入れない、という気迫は光った。これが1つの勝因。最後の直線でも新田が内からこじ開けて来たが、最後まで前には出させなかった。連日、夜になってもバンク上は30度を超える猛暑の中「できるだけ水分補給をして水風呂に入ったり(お湯でも)長湯しないようにした」という細心の注意も、地味だが1つの大きな勝因だ。

これで今年の獲得賞金は1億4000万円を超え、2年連続3度目のGP出場は確定的になった。だが「それは気にせず、すぐに(松山)オールスターも控えているので練習したい」。来月の松山でG1制覇を成し遂げ、この日抱えたもやもやを、すっきり晴らしてみせる。