世界王者と日本選手が激突! 

といっても、今回はロードレースの話です。2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムが11月4日に開催されました。ツール・ド・フランスの名を冠した大会も今回で6回目。毎年、ツールで活躍した世界的スター選手と日本勢が、さいたま新都心駅周辺の公道で戦う、夢の自転車競技イベントです。

知人に紹介されて以来、毎年観戦していたのですが、昨年は行けず今年は2年ぶり。昨年からコースが変わり、カーブが多いコースになっていました。私はヘアピンカーブの位置で見ます。減速するので、走っている選手の表情もばっちり確認できるんです。

レース終盤、バルベルデ(右)に新城幸也(中央)が襲いかかる。左は2位のトーマス(撮影・山本幸史)
レース終盤、バルベルデ(右)に新城幸也(中央)が襲いかかる。左は2位のトーマス(撮影・山本幸史)

目玉選手は、今年のツールで総合優勝したゲラント・トーマス(イギリス)と、今年の世界選手権個人ロード優勝のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)。前者がマイヨ・ジョーヌと呼ばれる黄色のジャージー、後者は、世界選手権覇者が着る虹色のアルカンシェルで参戦。この2人に日本の新城幸也が挑んだ終盤は、観客も大いに盛り上がっていました。優勝はバルベルデ。2位トーマス、新城は3位でした。

タンデムで街道を突っ走る山口乃愛(右)とパイロットのガールズケイリン寺井えりか(撮影・山本幸史)
タンデムで街道を突っ走る山口乃愛(右)とパイロットのガールズケイリン寺井えりか(撮影・山本幸史)

メインレース前にはタイムトライアルも行われ、パラサイクリング部門には、われらがガールズケイリンの寺井えりかがパイロットを務める山口乃愛も出場。コーナーの多いコースを長いタンデム自転車で走ること自体大変なことです。なお、けがでトラックパーティーを欠場した日本中距離の橋本英也も参戦。スペシャルチームジャパンfor さいたまの一員として、タイムトライアルで優勝。メインのクリテリウムでも完走して元気な姿を見せていたので、今後のW杯に期待です。

選手たちを応援するファン(撮影・山本幸史)
選手たちを応援するファン(撮影・山本幸史)

沿道にはロードの熱心なファンの方々がいる一方で、ふらりと観戦したと思われる初老の男性も「これはすごい」と圧倒されていました。また、コース周辺のイベント会場には日本競輪選手会埼玉支部のタイムトライアル体験ブースも盛況でした。

昨今の自転車ブームはロードが中心の印象ですが、自転車好きなファンは間違いなくいます。実際「オリンピック(五輪)ではトラックを見たいね」という声も聞きましたし、選手会ブースは長蛇の列。同じ自転車である競輪に、このお客さんたちをどう取り込むか。短距離チーム・ブノワジャパンは十分世界と戦える力をつけています。そんな選手が戦っている競輪に立ち寄ってもらえる、または「ちょっと競輪見てみよう」と思わせるような外向けの発信力も必要だな、と考えさせられました。【山本幸史】