ヒーローが向日町8RでS級初戦を迎える。窪木一茂(33=福島)は14日にフランスで行われた自転車競技トラック世界選手権のスクラッチで、中距離男子で日本勢初の銀メダルを獲得。

規定によりA級2班からS級2班に特昇した。検車場に現れた瞬間は「うれしいですね。ただ、僕のことを誰も知らないし、僕自身も誰も知らない」とやや不安そうに話した。だが、初戦については「先行で戦いたい。ここは新田(康仁)さんが付いてくれるので、強い気持ちで風を切りたいと思う」。

実は迷いもあった。「S級は『組み立てが違うから』とアドバイスしてくれる人がいて、どうしようかなと思っていた」。

競技と競輪を両立させることの難しさも口にした。「体重を含めて、体をガラッと変えないといけないんですよ。競技の体を競輪の体にするには1年ぐらいはかかります。ただ、また競技にも取り組まないといけないので、競輪専念というわけにもいかない」。一筋縄ではいかない問題だというのは分かる。だからこそ、まずはS級初戦に注目だ。