四日市G3泗水杯争奪戦は79億円を売り上げ、今年のG3最高額となった。要因として考えられるのは、実力上位者と民間ポータルのポイント還元、落車が少なかったことなどが考えられる。そのおかげで最終日は1Rからフルスペックの9車立てを提供できたことも大きい。

郡司浩平(右)は小田原城をバックに松井宏佑と健闘を誓った
郡司浩平(右)は小田原城をバックに松井宏佑と健闘を誓った

落車は誰も幸せにしない。私も走っていたので分かるが、選手は覚悟を持って走っていても「落車しよう」と思う者はいない。ただ、バンクや自転車特性を理解せず、原理を外れた走りをすれば、リスクを自ら呼び込んでしまう。現在は大ギヤ化が進み、スピードを落としたくない心理が働き、レースの波に対応できない「直線番長」型が増えている。ルールに合わせて選手は進化するので、「臭いものにフタをする」改正だけでなく技術と走法の再構築も必要だ。

今回の小田原バンクは33でカントもあるので、主導権争いが激化しやすい。地元の郡司浩平は安定しているが、松井宏佑の覇気が気になる。彼の持ち味は「まくりカマシ」のトップスピードだが、寛仁親王牌は空回りした。特に準決、最終日ともに攻めが雑だった。早めに仕掛けたい気持ちは分かるが、もっと自分自身と勝負していい。リスクを恐れずゴール勝負する姿勢が真価を引き出す。初日は郡司が前回りを直訴したと聞いた。ぜひ松井には郡司の後ろで何かをつかんでもらいたい。彼が本来の爆発力を取り戻せば、再びタイトル争いが見えてくる。(日刊スポーツ評論家)