伏見俊昭さんが旅立って5日がたった。彼はいつもキラキラしているのに、気取るところが全くなかった。私は何度もいたずらをした。グレードレースの特別選手紹介で後ろに回り、ジャージーのズボンをずり下げたり、新築の家に行って勝手に風呂に入ったりと、むちゃくちゃなことをしていた。それでも、いつも笑って接してくれた。最後に会ったのが3月の防府のウィナーズカップ。後ろに回りズボンを下ろそうとしたが、きっちりひもで結ばれていた。「僕も大人になりましたから」と得意げに笑った顔が最後の思い出となった。人の命ははかない。伏見君は、今ある瞬間を全力で生きる大切さを教えてくれた。
競輪人生も同じだ。デビュー当時は全力で先行していたが、次々と新人選手が現れ、それを全部先行で破ることは難しい。横でフタをする自力選手を動かし、主導権を取りやすい形を作る。そして、引けない時は番手で粘ってさばき、前前で勝負する。しかし、がっぷり四つの並走は、相手をどかすことは簡単ではない。それが今の町田太我だ。先日の高知サマーナイトフェスティバル決勝、石原颯と犬伏湧也が連係して優勝を狙った。残念ながら中四国勢の優勝とはならなかったが、町田もその一角に入れる資質はある。
彼の先行力は誰もが認めるところだ。その力をどう結果に結びつけていくのか。今後の走りに注目したい。特選12Rは北九州勢を連れて、やりたいレースをすればいい。(日刊スポーツ評論家)
























