まさに経験豊富なベテランのレースだった。12R優勝戦は、1枠の吉田一郎(54=長崎)が3カドまくりを決め、21年9月鳴門以来、通算50度目の優勝を飾った。

慌てない、慌てない。そう聞こえてくるような、冷静沈着な走りだった。2枠の石川真二がピット離れで飛び出して、インを奪取。さらに6枠の田頭実も前付けに動き、こちらは2コース。吉田は抵抗すらしなかった。「(進入は)出てからと思っていたけど、足を生かすならダッシュの方がいいかなと」。三嶌誠司がダッシュに引いたのを見て決断。3カドからの勝負を選んだ。

スタートはコンマ27。最も遅いタイミングで絶望的な位置だったが、そこから伸び返して1Mは果敢にまくっていった。「あんなスタート遅れちゃ駄目ですね。(1Mは)いくしかないと思っていきました。いいかかりだったし、伸びも良かったです。柏野(幸二)君のエンジン(63号機)と、僕のは(8号機)、注目していいエンジンだと思います」。超抜機の後押しに、最後まで感謝していた。

この優勝で節目となる50度目のVを達成。さらには通算2000勝まで、あと7勝に迫った。「あと1回は優勝したいと思っていたので、勝てて良かったです。今度は2000勝が近づいてきたので、それを目標に頑張っていきたいです」。区切りの勝利へ、1走1走全力のレースを誓った。