ラグビーは少年をいちはやく男にし、男にいつまでも少年の心を抱かせる。(ラグビー・フランス代表元主将、ジャン・ピエール・リーブ)

10月久留米F2の取材で、いつもにこにこ笑ってる少年のような選手に出会った。南部翔大(24=大阪)は京都成章高で3年連続の花園出場を果たしたラガーマン。その後は法大ラグビー部で活躍。縁あって競輪選手となった。

記者も高校時代はラグビー部で、開催中はその話に華が咲いた。法大ラグビー部と言えば伝統のハードタックルで強豪校を震え上がらせたイメージがあった。さぞ練習は厳しかっただろうと聞いたら、南部は「高校の時の方がきつかった。特にタックル練習が死ぬほど嫌だった」の話にうなった。強豪伏見工を抑え、京都代表で花園に出るというのはそれほど過酷な練習をしないといけなかった。

自身の高校時代は南部と同じCFだった。試合で対面に高校代表クラスのでかい相手がいて「今日こそ俺、死ぬな…」と本気で思える恐怖感を味わったが、南部がその話に同調してくれたのがうれしかった。

ラグビー出身の競輪選手としてG1最高齢Vの松本整さんや花園優勝経験を持つ吉田敏洋がいる。彼らに共通するのはラグビーの話だとほんと楽しそうな笑顔を向けてくれることだ。

冒頭のラグビー精神は競輪にも通じる。競輪にはラインがあり、同じ苦しい練習で培った体力と技術で連係して勝ち上がる団体競技。次期S級の南部を少年にも男にもしてくれたラグビー精神で、ラインの先頭で豪快に駆け抜ける姿を追いかけたい。