打鐘から先行した寺崎浩平にマークし、直線で差し切った地元の古性優作(35=大阪)が3年ぶり3度目の高松宮記念杯制覇。通算G1勝利数を「10」に伸ばした。5月日本選手権からのG1連続優勝となった古性は、早くも獲得賞金2億円台に到達した。
ゴールした古性に笑顔はなかった。優勝さえ頭になかったのかもしれない。ただただ首を左後ろに向け、ゴール前で簗田一輝と接触して落車した寺崎の姿を心配そうにみつめていた。
「優勝した実感はなかった。強い風が吹く中で、迷うことなく鐘前2角にスパートしてくれた寺崎君は素晴らしかった。自分は技術不足で、それに応えられなかった」。
古性と寺崎のコンビは壮大なプランを練って、決勝に臨んでいた。「2人で異次元のレースをしたかった。G1の決勝だが、F1の決勝のように走って、ワンツーを決めたかった」。
G1の決勝ともなれば当然、激戦となる。だが、古性はそんなレースをする気はさらさらなかった。「F1の決勝」という例えは、早めに2人で主導権を握って、まくってくる選手は古性がしっかりと止め、直線は2人でV争いを演じる。見る方は面白みがないかもしれないが、次元の違うレースとはそういうものだ。
「寺崎君は僕に期待して走ってくれた。僕は期待以上の走りをしようと思った。誰がまくってきても、何人まくってきても、全部思い切り止めようと思った」。
G1連勝。10回目のG1優勝。3年ぶりの高松宮記念優勝。前半戦での獲得賞金2億円超え。栄光の記録を残したが、古性はまったく気にする風情がなかった。「とにかくこれからも1走1走、命がけで走るだけ」。迫力が、体中を覆っていた。





















