サッカー現場発

J特任理事就任の播戸竜二さん 率直意見に期待大

新型コロナウイルスで中断していたJリーグの再開(J3は開幕)が決まった。Jリーグ特任理事に就任したばかりの元日本代表FW、播戸竜二さん(40)も人一倍喜んでいるのではないか。

播戸竜二さん(2019年9月14日撮影)
播戸竜二さん(2019年9月14日撮影)

再開にあたり、Jリーグでは全選手のPCR検査導入を決めた。これは播戸さんが以前から、選手らの安全面を考えて導入の必要性を訴えていたこと。早くも現場の声が届けられた。

特任理事とは堅苦しい肩書に聞こえるが、いわゆるJリーグの発展のために意見を述べる役職だ。非常勤で、通常の理事とは別に14年から設けられた。任期は2年。議決権はなく、理事会に出席して質疑応答に参加するのは可能だ。播戸さんの就任は、新型コロナウイルス問題が深刻化する前の2月に内定していた。

40歳の若き特任理事は、98年のガンバ大阪を皮切りに、のべ8クラブで21年間、J1、J2、J3の全カテゴリーでプレーしてきた。残した396試合109得点の数字の陰には、月給10万円の練習生から日本代表まではい上がった、努力という名のプロセスがある。

現役時代からアスリートのためのマネジメント会社を立ち上げて社長になり、裸一貫で社会の荒波にも立ち向かってきた。

最終任期の村井チェアマンが播戸さんを特任理事に指名したのは、そんな人生を支持した上で、Jリーグのために厳しい言葉も口にできる人間性を買ったのだろう。

播戸さんを初めて取材したのは兵庫・琴丘高3年時の国体から。当時18歳の眼光は、G大阪加入後は一層鋭くなっていった。記者が書いた記事について、ダメだしされたのは1回だけではない。そこには彼なりの理由があり、鋭い指摘だと感心させられたことも多い。現役生活の晩年だった大宮アルディージャ時代には「オレの引退の記事を書いておいてよ」と頼まれたこともあった。G大阪時代の練習では紅白戦なのに、仲間と本気でけんかしていた直情型と思いきや、自らを常に客観的に見ようとする姿勢もあった。

そして今回、新型コロナウイルス問題に直面したJリーグへは当初から、満足に練習ができない選手の苦しい精神面を代弁したり、練習時に選手が共有する飲み物(ペットボトルなど)の危険性も指摘していた。PCR検査の必要性を訴えたのも、その延長線上にあった。

所属クラブがなくなった19年からは、サッカー解説を務め、メディアでは「将来はJリーグのチェアマンをやってみたい」と公言するようになった。ネットでは「生意気」などと書き込まれることもあるが、そんな声を気にする性格だったら、プロ選手でも成功していない。

昨年のJリーグアウォーズでは、長年の功績に対して功労選手賞授与が発表された。テレビ、ラジオ番組に出演したり、eJリーグのオンライン解説をして、よりサッカーファンの人口を増やそうと必死だ。もしかして将来、本当にJリーグのチェアマンをやっているかもしれない。

今回の特任理事就任にあたり、2月に会った際、播戸さんは「選手目線だけではなく、いろんな視点に立って改善していきたい。今はJリーグの歴史やデータの資料を見て勉強してるよ」と笑っていた。

関係者によると、理事会などへ参加する際、その猛勉強ぶりは半端ではないとのこと。これからもバンバン、ストレートな意見でJリーグを発展させてください。あなたなら、できる。【横田和幸】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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