日本サッカー協会(JFA)が9日午後、都内のJFAハウスで会見を開き、田嶋幸三会長(60)がバヒド・ハリルホジッチ監督(65)の解任と、西野朗技術委員長(63)を新監督とする人事を発表した。

 田嶋会長は、ワールドカップロシア大会まで2カ月に差し迫ったこの時期に、ハリルホジッチ氏を解任した、会長としての責任を問われると「会長は発展のために必要な決断をするのが責任。辞める、辞めないを軽々にいうつもりはない」と進退問題に関しては言及を避けた。その上で「(ワールドカップ)16強入りへの可能性を1、2%でも上げる決断をした。それが私の責任」と強調した。

 今回のハリルホジッチ前監督の解任と、西野新監督の起用については「よく漏れなかったなというくらい多くの人に僕は相談し、結論に至ったのは事実。でも、最終的には会長が決めないといけない。特に、このような緊急を要する決断ですから」と、その決断こそが会長としての責任を取ったことだと主張した。

 すると、「今のお話を伺って、いかに技術委員会が機能していなかったが分かった。決断し、ベスト16という目標が達成できなかった場合、責任はどう取るのか?」と厳しい追及を受けた。田嶋会長は「決断をしなければ、私の責任はなかったのか? ということです。会長はその時、その時で協会の発展のために必要なことをするのが責任。1、2%でも16強に入れる可能性を挙げる選択をした。それが私の責任。誰かが辞めれば済むのか…そういう問題もを含めて私は考える。責任を恐れず責任をまっとうするのが今の状況で少しでも勝つ可能性を考えてやるのが責任」と重ねて強調した。

 その上で「危機をしっかり、いい状況に持っていきたい。団結にしていく、いいチャンスにしたい。残念ながら違う方向にあった。いい方向に向く代表にしたい」と言い、52分間の会見を終えた。【村上幸将】