東アジアE-1選手権で10年以来4大会ぶりの優勝を果たした女子日本代表「なでしこジャパン」の高倉麻子監督(51)が18日、大会最終戦となった韓国戦から一夜明け、来夏の東京オリンピック(五輪)へ向けた選手のさらなる成長を願った。
大会は台湾、中国、韓国との総当たり戦で行われ、日本は3戦全勝の無失点で優勝。最終戦の韓国戦は相手サポーターの大歓声が鳴り響くアウェーの環境の中、後半43分に得たPKをMF籾木結花が決めて競り勝った。高倉監督は「優勝できてうれしく思いますし、何よりも選手が自覚を持ってグラウンドで躍動し始めたなというのを強く感じたので、五輪へ期待が膨らみました。また来年も頑張りたい」と笑顔で振り返った。
韓国戦前にチームの変化を感じた点があったことも明かした。試合前のロッカールームでの出来事。「最後に大体私が3、4つ(指示を)言うんですけど、『絶対勝ちにいこうぜ』って言うと、いつもはみんなは『はーい』って感じ。でも、昨日は『よし、いこうぜ』って言ったら、みんなが『いこういこういこう』ってなった」。そうした試合へ臨むにあたっての強い気持ちがこれまで現チーム足りていなかったものだといい「これまではベテラン選手が積極的に声をかけてくれていましたが、昨日は選手たちも自分たちでやりきったなとは思います」とうれしそうに話した。
今回は海外組で不動の主将でもあるDF熊谷紗希が不在の中で臨んでいた。代わりに主将マークを巻いたFW岩渕は2試合の出場ながら5得点で得点王を獲得したほか、これまで熊谷とコンビを組むことの多かった21歳のDF南萌華がMVPを受賞。選手それぞれが自身の役割を強く自覚しながら結果につなげた大会にもなった。22日の皇后杯準決勝など、まだシーズンの試合を残す選手も多く、高倉監督は3試合でほぼ全選手を起用。代表キャップ数1桁の経験の浅い選手も多く、さまざまな組み合わせやポジションを試すなど、五輪へ向けた試行錯誤も見てとれた。指揮官は「選手はトライしてくれたし、可能性はみせてくれた。まだ7カ月あるので、ここから変わってくる、伸びてくる選手は誰なんだろうなということはあります」と振り返った。
そんな中で高倉監督は「ゲームの流れを読んでチームのプレーを判断する、グラウンド内でのリーダーに出てきてほしいなというのは正直あります」と新たなチームのけん引役の出現にも期待した。今のなでしこは、11年W杯優勝や12年ロンドン五輪銀メダルなどを獲得したチームから、未来を見据えて徐々に世代交代を進めている最中にある。「若い選手が多いので、数をこなしながら伸びていけると思います。あんまり無理強いしても違いますし、私たちが声を張り上げても、沸き上がる渇望とかは表現がなかなか難しい。でも、昨日はちょっと盛り上がりが違いました」。タイトル獲得で19年を締めくくり、またひとつ成長したチームが勝負の20年でのさらなる進化を目指す。

