第20回愛知・名古屋アジア大会(9月19日~10月4日)の女子サッカーが明日14日に先行開幕する。女子日本代表なでしこジャパンの狩野倫久監督(50)がこのほど取材に応じ、追加招集したDF瀬野有希(29=ちふれASエルフェン埼玉)への期待とママさんプレーヤーの世界基準について語った。
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瀬野は昨年3月に第1子男児を出産。同年8月に協議復帰した。日本サッカー協会(JFA)が把握している限り、なでしこジャパンとしては、宮本ともみ(現INAC神戸レオネッサ監督)以来のママさん選手の招集となった。
狩野監督は、出産前から瀬野のプレーは見ていたといい、産後もその状態を確認。「DF、センターバックでもできますし、今シーズン、もしくはボランチでも多く、数多くプレーされています。そういったポリバレントなプレーができるというところに加えて、本当に展開力があったり、予測が高かったりする」と評価する。
なでしこジャパンとして久々の母親プレーヤーの招集。狩野監督はその意義を語る。
「本当に素晴らしいというか、スタンダードになるべきだなと思っています。やはりこれは選手だけではなくて指導者もサッカーに関わるすべての方が本当にお子さんをお持ちになったりとか、さまざまな状況の中でも安心して思い切って働ける環境というのは非常に重要だと思っています」
昨年、米国を視察している際に衝撃を受けた。
「(アシュリー・)ハッチ。ワシントンスピリッツのFWの選手が安定期に入ってると思いますけど、(おなかが)大きい状態でシュート練習をしていました。パスして相手がいない状態、もちろんスピードであったり、そういったことは非常にコントロールされている。もうそれも含めてもうプログラミングされている状態でウェルトレーニングもやっていた。向こうではそこも含めてスタンダード」
出産後も施設内にベビールームが用意されているなど、不安なくプレーする環境が用意されていた。JFAは08年に育児サポート制度を整備。ベビーシッター費用や宿泊、同行にかかる渡航・宿泊費を協会側が負担する。今回、瀬野は家族の協力もあり、制度を活用しなかったが、JFAと何度も議論を重ねてJOC側にも確認しながら、最善の形を選択。大会期間中に何度か面会する機会を設けるという。狩野監督はこう話す。
「(大会期間が)長いですので、お子さんに会えないということではなくて、そこも我々としてはサポートしながら、何か力に変えて、思い切ってプレーでしてもらえるような環境作りというのを考えて、最大限コミュニケーションを取りながら追求する。それがベースになったり、スタンダードになればいいなと思っています」
アジア大会で結果を残すことも重要だが、瀬野のような母親アスリートも含めて多様なプレーヤーに対する環境整備がより進むことも同様に大切である。

