浦和MF柏木陽介(28)が2アシストに“神セーブ”と、実質3得点分の大活躍で第2ステージ開幕勝利の立役者になった。

 前半43分には正確なFKで、DF那須の同点ヘッドをアシスト。さらに「後半はセットプレーの時に、那須さんに相手のマークが偏った」状態を生かし、後半19分には那須と逆サイドのニアでフリーのFW興梠に、グラウンダーのFKをピタリ。勝ち越し弾をアシストした。

 この正確な観察眼は守備でも生きた。後半ロスタイム5分、福岡のCK。ラストプレーと見た相手は、GKイ・ボムヨンもゴール前に上がり、同点を狙ってきた。

 柏木 以前、鳥栖とやった時に、上がってきたGK林を警戒するあまり、一番空中戦に強い那須さんがマークについてしまった。それで他のマッチアップで不利になって失点した。同じ状況になれば、必ずピンチになると思った。

 嫌な予感は的中した。那須はキムのマークに。ミスマッチとなったファーサイドで福岡DF浜田にフリーでヘディングを許し、ニアポスト付近に危険なボールを送られた。

 しかし、そこにはピンチを予知していた柏木がいた。MF田村、FW平井が押し込みにかかったボールを、身体で止めた。

 「よく分からんかったけど、自分の身体に何回もボールが当たった気がする」と話す通り、腹から顔の近くまで転がり上がってゴールに入りそうになるボールを、身体をくねらせるようにして止めた。

 「2アシストも、得点を防いだのも、今後を考えれば大きかったと思う」と柏木。「神ってる」と言いたくなるような活躍だったが、正確なボールコントロールと観察眼というきちんとした裏付けがあった。【塩畑大輔】