横浜F・マリノスDF中沢佑二(40)が19日の鹿島アントラーズ戦(カシマ)の遠征メンバーから外れたことが18日、分かった。12年9月29日の大宮アルディージャ戦から続くフィールドプレーヤートップのJ1連続出場記録は199試合、13年7月6日の大分トリニータ戦から続く連続フル出場も178試合でストップ。チームは残留争いの渦中にあり、ポステコグルー監督は今季の主将も務めるベテランを外し、浮上のきっかけをつかむ決断を下した。

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 12年9月から約6年間積み上げてきた中沢の記録がついに途切れる。今夏に加入した選手の起用と連戦の疲労を考慮し、鹿島戦の遠征メンバーから外れた。前日練習には姿を見せず、室内で調整。連続出場199試合はGKを除けば断トツの数字だが節目の200試合を目前に記録は止まることになった。

 ポステコグルー監督は「(中沢を)休ませる時期をうかがっていた。代わりの選手が入ってきたこともあり、今週は休ませることにした」と説明。8月は中3、4日での連戦が続く過密日程で、疲労を考慮したことを強調した。

 中沢本人も受け入れており「いつでも出られる準備はしていますけど、明日はチームを応援しています」と話した。記録については「気にしていない。今はチームが勝たないと」と気丈に振る舞った。2つ年上でリーグ通算出場試合数トップの631試合を誇る名古屋グランパスのGK楢崎に連絡し、ねぎらいの言葉をもらったことも明かした。

 今季はプロ20年目の節目で、07年以来の主将も担い「サッカー選手としての集大成。優勝するために全力でやっていく」と意気込んでいた。しかし、選手は今季就任した指揮官のもとで取り入れた戦術への適応に苦しみ、現在14位で残留争いの最中にある。現時点でリーグワーストタイの39失点を喫している守備の立て直しは急務で、今夏には中沢と同じセンターバックが本職の選手を3人獲得。前節名古屋戦で今季初の3バックを試すなどテコ入れに動いていた。

 最終ラインからチームを統率していた主将のメンバー外にチームメートは発奮しており、GK飯倉は「彼の実績や立場を考えるとすごくつらい。そういう意味でもチームを成功に導いていけるようにしたい」と力を込めた。これ以上ない劇薬を投じ、横浜が勝負に出る。【松尾幸之介】