就任2年目のコンサドーレ札幌ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)が、新たな“クラブ史上初”へ、タクトを振り続ける。9日横浜Fマリノス戦(ニッパツ)に向け、8日は横浜市内で練習を行った。

前節でクラブ初の3年連続J1残留は決めたが、残る4戦にも最多勝利、最多得点、初の得失点差プラスなど、上積みすべき数字がある。可能性が消えていないアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)初出場へ、最後まで諦めず戦い抜く。

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本拠地に初雪が降った7日に敵地入りしていたペトロビッチ監督は、半袖姿で練習場の選手の動きを見守った。横浜は首位鹿島アントラーズと勝ち点1差。逆転優勝へホームで勝ち点3を計算しているのは明白だが、札幌もACLなど多くの目標が残っている。「もちろん、4位の順位の可能性がある限り、目指して戦うのが我々だ」。方針が、ぶれることはない。

条件次第でACL出場権がつかめる4位川崎フロンターレとの勝ち点差は11。札幌が今節勝ち点3を上積みしても、川崎Fが鹿島に勝てば上回れない。「自分たちの戦い、オープンな戦いをしっかりと挑みながら、いい内容のゲーム、いい結果をもぎ取るためにチーム全員で戦いたい」。その上で現実的な視点も忘れない。「1つでも上の順位を目指して戦う」と7位以内死守を掲げた。

残り4試合には、クラブのJ1記録更新のチャンスが残る。現在12勝7分け11敗(得点48、失点41、得失点差7)で勝ち点43。全勝すれば16勝で昨季15勝を上回り、98年の57得点まであと9得点、17年の最少47失点更新も十分可能だ。過去8シーズン、得失点差でプラスはなく、実現すれば「超攻撃的サッカー」を掲げるチームらしい終わりかたになる。クラブ初の3年連続J1残留は確定させたが、楽しみな要素は詰まっている。

日本代表初招集のDF進藤ら、世代別を含めると各国の代表選手は5人まで増えた。うれしい知らせが続いた1週間。「チームにとっても明るいニュースだった。非常にいい雰囲気で今週練習していた。我々にはいい選手がいる。足りないのはいい監督くらいだ」と笑う指揮官は「目の前の相手、マリノスを倒すことに集中したい」と闘志を燃やした。【保坂果那】