53歳カズ主将「責任がある」6試合ぶり勝利に導く

  • 鳥栖対横浜FC 前半、スライディングする横浜FC・FWカズ(撮影・江口和貴)

<YBCルヴァン杯:鳥栖0-1横浜FC>◇1次リーグ第2節◇5日◇駅前スタ

横浜FCのFWカズ(三浦知良)が鳥栖戦で先発出場し、53歳5カ月10日のルヴァン杯最年長記録を更新した。約半年ぶりの同杯再開戦で、カズは後半18分まで63分間プレー。前半30分にダイビングヘッドで枠内シュートを放つなど見せ場をつくった。チームは1-0で勝ち、公式戦の連敗を4でストップ。1次リーグ突破に望みをつなげ、カズは主将の役割を全うした。今季初の公式戦のピッチで、プロ35年目の軌跡を刻んだ。

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主将マークを巻いたカズがチームを公式戦6試合ぶりの勝利に導いた。今季初めてピッチに立ち「チームが連敗している中で何とか勝利してチームがいい方向を向くようにしたい。自分にはその責任があるという気持ちでピッチに立ちました」と自身の“開幕戦”を振り返った。

負ければ1次リーグ敗退が決まる一戦。開始10秒で相手にスライディングタックルを仕掛け、チームに闘志を注入した。「ちょっと遅れて相手には申し訳なかったけど、自分の気合をチームメートに示したかった」。前半30分にはMF斎藤の右サイドからの低いクロスにダイビングヘッド。GKの正面で「ひとりカズダンス」はお預けになり、本人も「もう1つタイミングが良ければゴールになっていたかな」と悔しがった。

今季は波乱含みのスタートだった。1月のグアム合宿の終盤に左臀部(でんぶ)の痛みを発症し、和歌山の1次キャンプは別メニュー調整。宮崎2次キャンプの途中から全体練習に合流したが、2月6日の戦術練習中に痛みが再発し離脱。後に「音がした。今までにない感覚」と話したほどで、重傷も疑われたが、複数の医師の「問題なし」との診断を受け、2月末の開幕に向けギアを上げた。3月には明大との練習試合で今季“初得点”を決めるなど調子を上げてきた。

チームはリーグ戦は若手主体で臨むも、最近は4連敗と低迷。「僕みたいな年齢だと大変なことが増える」としながらも、ベテランの役割をこう明かした。「新しいことに挑戦している中で、若さ、勢い、スピードに加えて賢く戦わなければいけない」。この日は63分の出場で、最後方のDF伊野波とともに試合を落ち着かせ、猛暑の敵地で勝利を引き寄せた。下平監督も「持ってる存在感を含めチームにいい影響をもたらせてくれた」。53歳とは思えないパフォーマンスでチームをけん引するカズは、やはりチームの中心にいる。【岩田千代巳】